説明
2021年2月16日から21日にルーニィで開催した吉馴寿子写真展「カゼです」
この不思議なタイトルに”なんだろう?”と思われた方も多いでしょう
昨年、展覧会のご相談で作品を拝見して、これは必死で生きようとしている人の静かな戦いと、それを放っておかない吉馴さんの記録で、わすれまいとする記憶だと感じました。
お二人ともなんと尊い行為なんだろうと。
展覧会に来ることが叶わなかった方、アナログの、本の形の展覧会をお手元でどうぞ。
以下、作家の言葉>
「帰省」という言葉が、「遠距離介護」という言葉に置き換わって、もうどれくらいになるだろうか。横浜から香川へ、以前は、年に2、3度の「帰省」だったものが、今や、ふた月に2、3度の「遠距離介護」になってきている。
そんな綱渡りの生活の中、香川での慌ただしい時間の中で、私の目に飛び込んでくるものがある。義母があちこちに書き記す、数々のメモだ。
夫は、そういうメモを見つけると、役に立たないから、とすぐさま捨ててしまう。しかし、メモを書く義母の気持ちを推し量るに、私は無下にするには忍びない。
だから、自分に出来ることをする。写真を撮って、フィルムに収めて記録する。
これらは、遠距離介護の日々の中で、私が撮り溜めた備忘録である。

カゼです 表紙

作家個人の出来事であるが、これは現代に生きる我々の普遍的な物語でもある

あらゆる場所に筆記用具が用意され、忘れまいとするメモや、ご近所さんに当てたメモが見つけられる
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